松本城の『仲秋の名月』と満月の引力による体の不調
◎松本城の『仲秋の名月』
昨夜は『仲秋の名月』でした。
『仲秋の名月』は、旧暦(太陰太陽暦)の8月15日の夜に見える月です。
新暦では9月初旬から10月初旬にかけて出る月を『仲秋の名月』と呼んでいます。
『仲秋の名月』は、2021~2023年の3年間は連続で満月でした。
次回の『仲秋の名月』が満月になるのは7年後の2030年になるとか。
月の軌道や地球の軌道が楕円である関係で必ずしも満月にはならないそうなのです。
私は、ずっと昔から『仲秋の名月』は満月だと思い込んいたので次は7年後というのにはびっくりです。
さてせっかくなので、昨夜は『仲秋の名月』をみようと松本城まで出かけていきました。
松本城では、『仲秋の名月』を撮ろとスマホやカメラを抱えている人が大勢集まっていました。
時折雲の間から姿を現す美しい月を静かに待ち続けていると、スマホでの撮影でしたので、月は小さくしか撮れなかったのですが、松本城と名月をひとつの写真に収めることができました。
ほんとうにきれいなお月さまでした。
『仲秋の名月』は、一年の中で最も月が美しい日といわれているのに納得です。
月の表面で黒く見えているところは『月の海』と呼ばれています。
濃い色の玄武岩で覆われた月の平原です。
「月の海」と呼ばれるようになったのは、黒く広く平らに見える部分が海のように見えていたからだそうです。
日本では昔から、この黒い模様は「ウサギがもちをついている」といわれてきました。
世界では月の模様はその傾きが国によって違うので見かたも違ってきます。
南アメリカの一部ではロバ。
南ヨーロッパではカニ。
中国ではガマガエル。
アラビア圏では吠えるライオン。
北アメリカやインドはワニ。
東ヨーロッパや北アメリカでは髪の長い女性。
北ヨーロッパでは本を読むおばあさん。
ドイツではまきを担ぐ人。
地域や文化が違うことで、月の模様がさまざまな人や動物に見えるのがおもしいろいですね。
◎いわさきちひろの『十五夜の月』
当院では毎年9月に室内に掛ける絵として、いわさきちひろの『十五夜の月』(1965年)を飾らせてもらっています(写真上)。
月を見る子どもたちの影が長く伸びて、ススキにかぶった大きな美しい月を見る子どもたちの後ろ姿や横顔から、楽しそうな表情がうかがえるようで微笑ましくなります。
最近はお月見をする風習も薄れ、子どもたちが月をながめることもとても少なくなってしまいました。
「月」は地球の周りをまわっている星(衛星と呼びます)ですが、三日月、半月、満月を「異なった星」と思っているお子さんもいるのだそうです。
『仲秋の名月』といえばお供えにお団子を飾ります。
『仲秋の名月』で月をながめる風習は平安時代に中国から伝わりました。
日本では最初はサトイモやさつまいものなどの秋の収穫の祝いと感謝をあらわして供えていました。そのため『十五夜満月』は『芋名月』とも呼ばれています。
お団子を供えるようになったのは江戸時代から。
ススキや萩(はぎ)や女郎花(おみなえし)などの秋の草も供えるようになりました。
お供えしたススキは、軒下に吊るしておくと1年中病気をしないという伝えがあるそうです。
◎満月における体の不調の影響を受けやすい女性
ところで、満月のときに体の不調を感じることはありませんか。
東洋医学の最古の書物『黄帝内経』(こうていだいけい)に月のことが書かれています。
「満月になると気血が徐々に充実して体が固く引き締まる」とあります。
満月の時はさまざまなものが満ちていて、人によっては、倦怠感や頭痛、めまい、吐き気、睡眠不足、肌の乾燥、ドライアイ、関節痛などのさまざまな症状がでたりします。
また気持ちが高まりやすく、注意力低下により「満月には交通事故が増える」といわれています。
人の体の約60%は水分です。
潮の満ち引きが月の引力により起こるように、体も月の引力に影響を受け、水分が引っ張られて神経が活発になるようです。
特に影響を受けやすいのは女性です。
満月時に生理になりやすく、出産も満月に多いといわれています。
生理のことを「月経」というくらい月との結びつきは強いということです。
新月から満月にまでの満ちていく期間は黄体ホルモンの分泌量が増えていきます。
満月の夜は心を落ち着けて、ストレスをためないように休養を心がけていくのも対策のひとつです。
◎お灸教室情報
高い気温が続いていましたが少し暑さも和らいできました。これから本格的な秋に向かって体調を崩しやすい時期です。
当院で10月15日に『秋の養生を実践して冬に備える』をテーマにお灸教室を開催します。詳細は『お灸教室情報』からご覧ください。