東光寺の巨大朱色下駄と足趾の浮き指について

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◎東光寺の巨大朱色下駄
道を歩いているときや車を運転しているときに、いつもと違う道に行ってみたり、迷い込んでしまったりして、思いもよらない所を見つけるということはないでしょうか。

先日、わたしはそんな思いがけないことに出くわしました。

大きな道を通らず、脇道を走っていたら急に大きな朱色の下駄が目に入ってきました。
大王わさび農場と穂高駅の中間あたりにある東光寺の門前にある巨大下駄です。(写真上)

以前何かの写真でこの巨大下駄のある寺を見たことがあるのですが、もっと山奥にあるお寺だと思っていたので目の前に偶然現れて驚きました。

この吉祥山東光寺は安曇野市穂高にある曹洞宗のお寺です。
信州七福神の一つで「吉祥仁王様の下駄」と呼ばれる大きな下駄があることで有名なお寺だだそうです。
大きな下駄は表に3つあります。門を入ったところにもあります。(写真下)
oogeta2この下駄はいったい何なのでしょうか?
実はこの下駄を履くと願いが叶うのだそうです。

禅に「脚下照顧」という教えがあるそうです。
「自分自身の足元をしっかり見つめて1歩1歩着実に歩む中で物事が成就される」
という意味です。
願い事が叶うのであるならばのってみたい気持ちはありますが、こんな大きな下駄に左右の足を乗せるも大変そうですね。
ですので、この下駄には履きやすいように後ろに踏み台が置いてあります。(写真上)

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◎下駄の音
昔、お祭りや花火大会などで浴衣を着て下駄を履くという機会は今よりずっとあったように思います。

私は下駄を履いて鼻緒に指を入れるときの感触と下駄の音がとても好きです。
「カタカタ」とリズミカルで小気味よい音の響きは気持ちを落ち着かせてくれます。
材質ではヒノキの下駄が良い音がでるようです。

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◎下駄は足指を鍛える
ところで下駄はとても健康的な履物なのです。
知らず知らずのうちに足の指の内在筋を鍛えてくれます。

当院にご来院くださる方で指の疾患で来られる方はほぼおられません。

「足の指に力が入らないですね」とお伝えすると「えっ?」と皆さん驚かれます。
足の指に力が入らないことを自覚されている方は少ないようです。

立った姿勢のときに足の指が床に触れず浮いてしまっている「浮き指」の方がとても多いのです。
これですと重心がどんどん後ろにいき、しっかり立位姿勢が取れなくなっていきます。
「浮き指」をそのままにしていると体重がしっかり足にかからず、バランスの良い姿勢を保てなくなります。

ukiyubi「浮き指」は身体の不調を招く原因にもなります。
肩こりや腰痛、頭痛などの症状の要因や偏平足や外反母趾、足底筋膜炎の原因にもなったりします。

できるだけ踵ではなく、足の中心に重心がくるようにして足指に力を入れて歩くことを心掛けていただくと「浮き足」も改善されてよい姿勢がとれていくようになります。

日常生活の中でなかなか履くことはなくなってしまった下駄ですが、機会があったらぜひ活用して足の指を鍛えてみてはいかがでしょうか。

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◎お灸教室情報

8月20日にお灸教室を行います。『お灸で秋バテ予防』です。
秋バテに効果のあるツボや養生法をお伝えします。