「オニグルミ」で柿の白和えを作ってみました!
先日、安曇野の道の駅で「オニグルミ」が店頭に並んでいたので思わず購入してしまいました。
いつかこの「オニグルミ」で白和えを作って見たいと思っていたからです。
「オニグルミ」は、クルミ科クルミ属に属する落葉性の高木です。別名はカラフトグルミ(樺太胡桃)と呼ばれています。野生のクルミ全般を「オニグルミ」と呼ぶこともあるそうです。
「オニグルミ」は日本原産のクルミで、北海道から九州まで山地の谷あいや川沿いなどの湿った場所や寒冷地に自生しています(写真上)。
長野県は自生するには最適な場所のようであちらこちらで生えています。
「オニグルミ」は、なんと縄文時代から食べられてきた木の実だそうです。
9月中旬に熟して、収穫時期は10月です。
調べてみると「オニグルミ」の実は栄養価がとても高いのです。
たんぱく質や食物繊維、ビタミンやミネラルといった上質の栄養に富んでいます。
オメガ3脂肪酸やαリノレン酸などの成分から血液の流れを改善して、血圧を下げ、脳血管障害や心筋梗塞、うつやアルツハイマー、がんなどの予防が期待できるようです。
その他には、糖尿病の改善、疲労回復、滋養強壮、便秘予防といった万能の食材です。
こんなに栄養満点なクルミなら食べないのが損な気分になってきます。
しかし、「オニグルミ」は手にいれたものの、次に大きなハードルがあります。
実は「オニグルミ」は普通売られているクルミより殻がとても堅いのです。
完熟した「オニグルミ」はクマでも歯が立たないようで、ニホンリスやアカネズミのようなじょうぶな歯を持つ動物でないと殻をむくのは難しいようです。
「オニグルミ」の実をかじる日本リスの写真は森林総合研究所のサイトからご覧いただけます。
和ぐるみ割り器なる道具も売ってはいるのですが、専用の道具は使わずに殻を割る方法を調べてさっそく試してみました。
まず水に一晩漬けます。
フライパンで15分くらい炒ります。
すると殻の割れ目が、使い古したがま口のように少しづつ隙間ができてきます。
その隙間にマイナスドライバーを使いこじ開けるときれいに二つに割ることができます(写真下)。
次に割れたくるみから中身を取り出すには竹串を使います。耳の穴のようなところをほぐしていきます。
中身を取り出した後はすり鉢ですります。
そこに湯通して水を切ったお豆腐を入れてなめらかになるまで擦り混ぜます。そこに秋の味覚の柿を入れれば出来上がりです。
「オニグルミ」入りの柿の白和えは食べてみるとすごく濃厚でクリミー。それでいてすっきりとした後味です。
「オニグルミ」は脂肪分が多く、豆腐とあえただけで、調味料を加えなくてもいいくらい深い味わいがあります。
出来上がりるまでに時間は掛かりますが、作っている間もけっこう楽しいものです。
また来年もこの時期に作ってみたい一品です。
「オニグルミ」は食材以外にも利用されています。
「オニグルミ」の実の殻は、割れや狂いが少ないためとして家具や無垢のフローリングとして使われています。
また、スタッドレスタイヤ(雪道や凍結した道を走るとき使われるスノータイヤの一種)として使われているのには驚きです。
私は殻を捨てるのが惜しいので、患者さんからいただいた菊の鉢植えの根元にまいてみました(写真上)。
見た目がおしゃれですし、土の表面の乾燥や雑草の繁殖も防いでくれるようです。
クルミは殻を割らないでいれば何年も保存できるようです。非常時の食料としても貯蔵できそうですね。
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