クコの実の効能と眼精疲労の鍼灸治療

annninndoufu

国内の新型コロナウィルス感染者が増え、私が住む長野県も「まん延防止等重点措置」が適用されています。まだまだ感染拡大が続く新型コロナウィルス。

その中でSNSやZOOMなどでパソコンやスマホに向かう時間が増え、疲れ目や視力低下を抱えている方が増えています。
そういう私自身もその一人。仕事の上でも視力低下は避けたいところです。

そこで以前から目に良いと聞いていたクコの実を試してみようと思いました。
クコの実と聞いてピンとこない方はあの杏仁豆腐(あんにんどうふ)に入っている赤い小さな実といえば「ああ」と思われる方もいるでしょう。

annninndoufu2

中国最古の薬物学『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』。
生薬の薬効について書かれた本です。

この本に枸杞(クコ)についてこう書かれています。
「枸杞を久しく服用すれば、筋骨が強くなり、寒さ暑さに耐えることができ、身が軽くなり、老いない、漢方薬の中の上品である」と。

クコは東洋医学では滋養強壮、不老長寿の妙薬とされています。
クコは果実だけでなく、葉や根も生薬として使われています。

クコの実を干したものは「枸杞子(くこし)」と呼ばれています。

kuko2

薬膳では肝と腎の機能を高めるとされ、身体を丈夫にして、眼精疲労や涙目、視力回復や老化を遅らせるなどの働きがあるといわれています。

漢方薬では目の老化に予防に効果の高いといわれる「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」にもクコが使われています。

クコは、東アジアの熱帯から温帯にかけて分布するナス科の落葉低木です。
ナスの花に似た小さな紫の花が咲き、実が付き始めるのは秋ごろです。

甘くて少し苦みがあり小粒なクコの実。
つい食べ過ぎてしまうとお腹を冷やし、腹痛や下痢の症状がでることがあるので注意してください。一日10粒前後を目安にするとよいようです。

kuko

「漢方ライフ 漢方・東洋医学事典」より

さて、クコの実を食べ始めて3か月くらい経ったころ、私にある変化が…。
目の疲れにはよいと感じましたが、じつはいちばん効果を感じたと思ったのは髪なのです。

東洋医学では髪の毛は「血余(けつよ)」と呼ばれています。
身体を巡る「血」がしっかりと補えていないと髪まで栄養が行き届かないというわけです。

ここ数年、抜け毛が多くなり、特に前頭部の髪が薄くなり気になっていました。

いつもカットをお願いしている美容師さんによれば、抜けた髪の毛のあとにはすぐに髪がまた生えてくるのだとか。
薄くなったと感じるのは、髪の毛がしっかり成長できないまま、短い期間で抜けてしまうからなのだそうです。
そういえば確かに抜けた髪をみると毛の長さは短くて細い。
そうか私の毛は成長できないまま、はらはらと抜け落ちてしまったのだと知りました。
「血」が十分補えていなかったということが原因の一つだと思いました。

それがクコの実を摂るようになってから、このところ額の上の髪の毛のボリュームがアップしたように感じられるのです。うれしい誤算でした。

okyuukyousitu

当院では髪に対するお悩みや眼精疲労や目の疾患で来院された方には、その方の体質に合った鍼灸治療をさせていただいています。またツボ押しや運動などのセルフケアもアドバイスしています。
今後はクコの実もおすすめしていこうと思います。

少し先になりますが、3月にお灸教室を予定しています。詳細はこちらからご覧ください。