82年間刊行の鍼灸専門誌『医道の日本』休刊
1938年(昭和13年)から82年間、毎月定期刊行されてきた鍼灸の専門雑誌『医道の日本』が、この7月をもって休刊になりました。
毎月自宅に届いて、封筒を開けて200ページ以上ある雑誌を取り出す。
そのときのわくわく感がもう味わえなくなるかと思うと寂しい思いがあります。
「雑誌市場の縮小、WEB上での情報発信の一般化など、情報をめぐる環境の大きな変化に伴い、新たな形での情報発信を模索すべき時期が来た」というのが休刊理由です。
紙媒体の雑誌がなくなる傾向は、PCやスマホでなんでも検索できる時代には仕方がないことだとは思います。
私が『医道の日本』を購読し始めたのは鍼灸学校の1年の時です。
それから28年近くずっと購読し続けてきました。
鍼灸師の臨床報告や施術テクニック、業界ニュース、世界の最新鍼灸動向、マンガ、毎号の企画や座談会など豊富な記事が魅力的な雑誌でした。
私は鍼灸師の資格をとっても長い間別の職業についていました。
それでも『医道の日本』の購読をやめなかったのは、いつか鍼灸師として仕事をしていきたいとの思いがあったからだと思います。
その思いを支えてくれた雑誌でもありました。
購読したころは上の写真のように、学術書や総合雑誌でよく使われているA5判(148mm×210mm)サイズでした。
文字は縦書きで写真は少なく文字がぎっしりと詰まっていました。
このサイズでのバックナンバーはテーマ別に各号を綴じるようにしたため、本としての体裁を保っているのはこの1冊だけです。
この創刊500号記念特集は古本屋で見つけたものです。
その後2001年1月号からは週刊誌などで使われるB5判(182mm×257mm)サイズになりました。
本のサイズは本の内容でだいたい決まっています。
新たな判では表紙もカラーになり、写真や図、マンガなども豊富で、大きな文字でぐっと読みやすくなりました。
このB5判の『医道の日本』も時代の雑誌作りの変化に伴って変更されたのだと思います。
ところで、1916年1月号から2020年6月号まで『医道の日本』のバックナンバーを並べてみました。
最終号の7月で通算922号です。900号のときの編集後記に「1000号を迎えるまで」とありました。
『医道の日本』はいったんは休止して不定期に継続発刊していく予定だそうです。
できれば1000号を目指して、今後も鍼灸業界のメディアとしての活躍を期待をして、応援をさせていただきたいと思います。