2月20日は『アレルギーの日』

今日2月20日は「アレルギーの日」です。
そして、2月17日~23日の1週間は「アレルギー週間」となっています。
アレルギー反応を引き起こすIgEという抗体を発見した方が、その成果を発表したのがこの日であったことから、日本アレルギー協会が2月20日を「アレルギーの日」と制定しました。
◎IgE抗体の役割とアレルギー治療
【IgE抗体の役割】
①体内にアレルゲン(花粉・ダニ・食べ物など)が入るとIgE抗体がそれを「敵」と認識。
②マスト細胞という免疫細胞と結びつき、ヒスタミンなどの化学物質を放出。
③その結果、くしゃみ・鼻水・かゆみ・じん麻疹などのアレルギー症状が発生。
【アレルギー治療】
そして、IgE抗体の量を測定することで、どの物質にアレルギーがあるのか、またIgEの数値からアレルギーの強さを判断できることが血液検査で簡単に調べることができるようになりました。
基本的には保険適用で3割負担となります。
またアレルギー様症状を引き起こすヒスタミンを抑える抗ヒスタミン薬が開発されて、花粉症やじん麻疹の症状を軽減したり、IgE抗体を抑える薬では、重度のぜん息や慢性的なじん麻疹の治療に使われています。
また、花粉症やダニアレルギーの治療には、IgE抗体が関与するアレルギーに対して、少量のアレルゲンを体に慣らしていく「舌下免疫療法」が確立されました。
このようにIgE抗体が発見されたことで、アレルギーの仕組みが科学的に解明されて、アレルギー疾患の治療が大きく進みました。
アレルギーの種類は200種類以上あるそうですが、主なアレルギーといえば、花粉症・アトピー性皮膚炎・気管支喘息・食物アレルギーなどです。
ちなみに食物アレルギーの原因物質で、アレルギーが表示対象とされているのは以下の28品目です。
◎東洋医学の考え方とアプローチ
東洋医学では、このアレルギー疾患の原因は「体のバランスの乱れ(気・血・水)の不調」として捉えられています。
特に免疫機能の過剰反応が起こるのは「肺」「脾」「腎」の働きが関係して、これらの働きが弱くなるとアレルギーが出やすくなると考えられています。
【肺:免疫のバリア】
肺は呼吸や皮膚の機能を調整し、外からの刺激(花粉・ほこり・ウィルスなど)を防ぐバリアの役割をもっています。
肺が弱ると花粉やほこりに敏感になり、くしゃみ・鼻水・かゆみなどのアレルギー症状が出やすくなります。
改善法としては肺を潤す「白い食べ物」(大根、梨、白きくらげなど)を食べる。鼻の両脇にある迎香や手にある合谷のツボなどを刺激して鼻の通りをよくします。
また深呼吸や軽い運動で自律神経のバランスを整えて肺を活性化しやすくします。
【脾:消化と栄養の吸収】
脾は食べ物を消化してエネルギー(気・血)を作る役割をしています。
脾が弱ると腸内環境が悪化し、免疫のバランスが崩れて、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーが悪化しやすくなります。
改善法としては消化を助ける「黄色い食べ物」(かぼちゃ、とうもろこし、さつまいも)を摂るとよいです。膝下にある足三里のツボは消化機能を高めてくれます。
冷たい物や油っぽい物は、「湿」を増やし脾を弱めるので注意が必要です。
【腎:生命エネルギーの貯蔵庫】
腎は体の根本的なエネルギー(腎精)を蓄え、成長、免疫、水分代謝を調整しています。
腎が弱ると体が冷えやすくなり、アレルギー症状が慢性化(ぜん息・アトピーなど)しやすくなります。
改善法としては「黒い食べ物」(黒豆・黒ゴマ・ひじき・くるみ)を摂取して、背中にある「腎兪」(じんゆ)や足首にある太谿(たいけい)のツボを温めるのが効果的です。
東洋医学のひとつである鍼灸治療では、体のバランスの乱れを整えて、アレルギー症状を軽減することが期待できるので、ぜひ鍼灸治療をご検討ください。
また、気の巡りを良くすることでアレルギーの悪化を防ぐことができるので、ストレスはためないことや十分な睡眠をとるといった生活習慣もたいせつになります。
◎セルフケア教室情報
2月23日(日)に当院にて「春に向けての体づくり」を行います。詳細は「セルフケア教室情報」をご覧ください。