「敬老の日」シルバー川柳とフレイル・ロコモ

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9月20日は「敬老の日」。

総務省によれば65歳以上の高齢者は、前年より22万人増えて3640万人。総人口の29.1%となり高齢者の割合は世界第1位です。

そんな人生100年時代の到来でも、歳を重ねて健康で元気でいることがたいせつになってきます。

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「フレイル」という言葉をご存じですか?
「フレイル」とは「Frailty」=「虚弱」の日本語訳で、日本老年医学会が2014年に提唱した概念です。

健康と要介護状態の間に位置し、身体機能や認知機能低下がみられる状態をいいます。
日本でのフレイル判定は次の5つです。

・体重減少
・筋力低下
・疲労感
・歩行速度の低下
・身体活動の低下

また運動機能障害で要介護になるリスクの高い状態になることを「ロコモティブシンドローム」といいます(日本整形外科学会2007年)。運動器障害には骨粗鬆症、変形性疾患、筋委縮が含まれます。

ではロコモティブシンドロームチェックしてみてください。
一つでも当てはまるとロコモの可能性があります。
骨や関節、筋肉などの運動器が衰えているサインです!

□片足立ちで靴下が履けない
□家の中でつまずいたり滑ったりする
□階段を上るのに手すりが必要である
□横断歩道を青信号で渡りきれない
□15分くらい続けて歩くことができない
□2㎏程度(1リットルの牛乳パック2個程度)の買い物で持ち帰りが困難
□家のやや重い仕事(掃除機の使用や布団の上げ下ろしなど)が困難

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私の手元に、社団法人全国有料老人ホーム協会・選の『シルバー川柳』の10回記念の小冊子があります。

協会の20周年の記念事業の一環として出されたたものです。

その作品の中から今回は「フレイル」や「ロコモティブシンドローム」に関連した作品だけをちょっと20点ほど選んでみました。
下は10歳以下から上は100歳を超える方々から10回の応募で9万点以上の応募があったそうです。

・つまづいたふと見た床に段差なし(55歳 女性)

・脳のシワ顔に出ていると孫が褒め(66歳 男性)

・万歩計つけて帰りに車呼び(75歳 女性)

・物忘れ昔からだと負け惜しみ(76歳 男性)

・味のある字とほめられた手の震え(70歳 女性)

・お辞儀して共によろけるクラス会(82歳 女性)

・足腰を鍛えりゃ徘徊おそれられ(68歳 男性)

・転んでは泣いてた子が言う「転ぶなよ」(44歳 女性)

・街鏡そっと猫背の老い伸ばす(69歳 女性)

・優先席座って行き先山歩き(66歳 女性)

・万歩計歩数のびるが距離のびず(65歳 男性)

・老体に耐震補強か杖1本(58歳 女性)

・あちこちの骨が鳴るなり古希古希と(71歳 男性)《※古希=70歳》

・デパートで買い物よりも椅子探し(30歳 男性)

・メモ帳のしまい場所にもメモが要る(65歳 男性)

・まっすぐに生きてきたのに腰曲がる(72歳 女性)

・見栄張って杖は要らぬと傘を持ち(52歳 女性)

・つまずいた小石に年を教えられ(69歳 男性)

・体力が落ちても押せる横車(80歳 男性)

・手をひいたつもりが孫に手をひかれ(72歳 男性)

私自身が年齢を重ねたからでしょうか。読んでいてつい共感を覚えてしまいます。
ちょっと身近に感じられる作品はありましたでしょうか?

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フレイルやロコモ予防には、片足立やスクワット、軽い体操やストレッチなどのセルフケアがオススメです。

最後に『シルバー川柳』の小冊子に一句鍼灸が入ったものを見つけました!
「主治医には内緒鍼灸まむし酒」

鍼灸治療は「フレイル」や「ロコモティブシンドローム」の予防効果が期待できます。
当院では東洋医学的診断で証を決めて鍼とお灸をしています。

ぜひ一度鍼灸治療をお試しください。
寝たきりを予防するセルフケアもアドバイスしています。

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