「なぞなぞ」の続き

「ちいさなときは4本、大人になると2本、年をとると3本、これなーに?」

子どもの頃、印象に残った「なぞなぞ」です。
この「なぞなぞ」、実はとても有名な「なぞなぞ」らしいのです。
大人版の「なぞなぞ」はこうなっています。

「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足で歩く生き物ってなーんだ?」

これはギリシャ神話でスフィンクスが旅人に出した「なぞなぞ」。
答えられなかった旅人は、スフィンクスに食べられてしまったとか。

答えは、子ども版は「人の足の数」。
そして、大人版は「人」です。人の一生を一日にたとえています。

朝(=小さいころ)はハイハイ。
よつんばいで歩いています。
つまり4本。
昼(=大人)になれば2足歩行。
そして、夜(=年をとれば)は、杖をつくので足を入れて3本。
というわけです。

「人はそうやって歩く姿を変えていくんだ」。
子ども心になにか感じるものがあったのだと思います。
それで今でも覚えているのかもしれません。

ところがです。
人はこの3本だけでは終わらない。
この続きがあることが多いのです。

先日、腰を骨折して入院してきた母が1か月ぶりに退院しました。
下の写真のように、今の母は6本足です。


これは歩行器(ピックアップウォーカー)。
足元を中心に歩行器の内側である支持基底面が広い。
そのため移動の際、しっかり体重をかけて、安定した歩行ができます。
歩行器は介護保険の適用で、1割負担でレンタルできます。

歩行器の使い方ですが、簡単なようでいて意外と難しい。
一度歩行器を持ち上げて前に出します。
そこに体重を乗せて足を出していきます。
そのため1点杖を使った時の歩き方と違って、歩行スピードが落ちます。
今までの歩行スピードに合わせようとすると、歩行器を持ち上げてしまうことになります。

母は慣れない歩行器をうまく使えていません。
歩行器の前の足の2本だけを使ったり、歩行器を持ち上げて、ちょこちょこと左右の足を出したりして苦戦をしています。

コルセットをしていて、腰に痛みもあるため、1点杖での移動はもう難しい。
歩行器に慣れるまで時間が掛かりそうです。
もし、もっと歩行が困難になれば車いすということになります。

人生の最後まで自分の力で歩くことができる。
それは思うよりずっとずっと難しいことのように思えます。
「なぞなぞ」のように、3本足で人生が終われば理想かもしれません。