『ブリコラージュ』と寅さん

先日、玄関前のポストに『ブリコラージュ』が入っていました。
『ブリコラージュ』とは購読している雑誌(隔月発行)名のことです。

『ブリコラージュ(Bricolage)』とは「ありあわせの道具材料を用いて自分の手でものを作るという意味で、転じて持ち合わせているもので現状を切り抜けること」という意味らしいです。
この雑誌の編集責任者である三好春樹氏が、なんでこの名前を雑誌名につけたかはよく覚えていませんが、この雑誌は生活リハビリ情報誌として介護業界では知られている雑誌です。

最新号の特集は「越境するセラピスト 介護に役立つPT・OT etc.カタログ」。
PTとは理学療法士、OTとは作業療法士のことで、リハビリ専門職を略していうときによく使う言い方です。

ブリコラージュ

三好春樹氏は「おむつ外し学会」や「チューブ外し学会」を立ち上げて、介護・看護・リハビリの垣根を越えて「生活リハビリ講座」を日本各地で開催し、介護業界に大きな影響を与えてきた方です。

この三好氏の書かれた本や講座をとおして衝撃を受け、医療から介護の世界に入ってきたPTやOTの方々がいます。今回はそんなPTやOTの個性あふれた方々の介護にかける情熱や仕事ぶりが特集で掲載されています。

私も東京の病院から、ここ信州の介護施設に職場を変え、初めての介護現場でいろいろなことに迷っていた時、この『ブリコラージュ』に出会い、介護に対する考え方の多様性と奥深さを知った雑誌でもありました。

ところで話は変わりますが、この『ブリコラージュ』の最新号の表紙写真の人物が誰かわかりますか?
顔は写っていませんが、東京は葛飾柴又駅にある「フーテンの寅さん」こと車寅次郎の像です。
寅さんが履いているのは雪駄履き(せったばき)です。
表紙の写真では分かり難いとは思いますが、左の親指に注目してください!
この左足の親指をなでるとご利益があるのだそうです。
そのため観光客の方が触るので、どんどんピカピカになってしまったとか。

でも、なぜ左足なのかというと—。
なんでも寅さん記念館には、別の寅さん像があるのだそうです。
その像では右足の雪駄が脱け落ちている形で造られています。
でも、左足の雪駄はそのままで落ちていません。つまり「運気が落ちない」または「受験に落ちない」となったということなのです。

10年ほど前、友人と柴又に行ったとき、確かに寅さん像はあったように思います。
でも、左足の親指に触るとご利益があるなんて話は聞かなかったような……。
数年前には、寅さん像のすぐそばに妹さくらの像もできたようです。
今度また柴又に行く機会があったなら、今度はぜひ左足親指に触ってご利益を受けてこようと思います。